杖の役割には3つあります。免荷、バランスの補助、歩行リズムです。
免荷は、荷重を免れるということですが、杖に体重をかけると反対側の足への荷重が少なくなる事でお分かりになると思います。
病状としては疼痛のある方や、筋力低下のある方に使用します。
バランスの補助は、立位・歩行バランスを安定させる為に支持面積を広くする事です。
足を閉じた状態で体を押されるのと足を肩幅に広げた状態で押されるのでは支持面積が違う為、肩幅に広げた状態の方が安定すると思います。
杖を使用するとさらに支持面積が広がる為、安定するという訳です。
歩行リズムは、歩行が不安定になるとリズムで歩くことが出来なくなります。
そこで「イチ・ニ・サン、イチ・ニ・サン」の三拍子のリズムでゆっくりと歩く方法が三動作歩行(ワルツ式)です。
二動作歩行(マーチ式)では、杖と患側の足を同時に出してから健側の足を出す歩行で「イチ・ニ、イチ・ニ」の二拍子のリズムになります。
さて、杖はどちらの手で持って使うのでしょうか?
痛みや筋力低下を補う為に使用する場合には、痛む足、もしくは筋力低下のある足とは反対の手で持ちます。
私たちが歩く時は右手と左足を出してから反対側の手足を出して歩きます。
痛む足側の手で持ってしまうと、痛む足に力が加わってしまうのです。
しかし、バランスの補助に使用する場合はどちらの手でも構いません。
利き手で握っても結構です。
杖の長さはどうでしょうか?
長さが合っていないと正しい使い方が出来ません。
実際に力が入りやすい1番の合わせ方が良いと思います。
足腰が不自由になる前に、杖を使って転倒に注意しましょう。
出展:はじめての福祉機器Q&A
文責 げんき館 夏目